タイで4月1日から本格運用が始まった「交通違反10罪状の実罰金化」について、国民の反応がまとまった。ニダ・ポール(国家開発研究院の世論調査センター)が4月7-8日に全国1310人を対象に実施した調査で、多数が「罰則は適切」と回答する一方、スピード違反の罰金は減額を求める声が目立った。
調査対象は18歳以上の国民で、全地域・全学歴・全職種・全所得層に分散させた。主要対象の10罪状は、無免許運転、飲酒運転、ヘルメット不着用、シートベルト不着用、スピード違反、交通信号無視、逆走、携帯操作、定員超過、車検切れなど、タイの交通事故の主要原因となっている行為である。
4月1日の本格施行以降、警察は「黙認しない」姿勢で、違反者を確実に捕捉して罰金を徴収する方針を明確にしている。従来は検問で警告のみ、あるいは少額の現場徴収で済ませる運用が一部で残っていたが、今回の厳格化で取り締まりの実効性が高まった。
調査では「罰則の厳しさは適切か」という問いに対し、多数が「適切」と回答した。とりわけ飲酒運転とヘルメット不着用の罰金引き上げに対しては、交通死亡事故を減らすための必要措置として高い支持が集まっている。
一方で「スピード違反の罰金は減額したほうがよい」との意見も一定数見られた。現行の最高速度制限が現場の流れと合わない道路があり、機械的に取り締まると不公平感が出るという声である。
在タイ日本人にとってもこの10罪状は他人事ではない。バイクでヘルメット不着用、車で携帯電話操作、深夜のスピード超過など、日常の運転で見かける違反は即罰金の対象になる。ソンクラン期の検問も厳格化されており、飲酒運転の摘発件数は従来より大幅に増えている。
タイの交通死亡事故は年間2万件前後で、世界ワースト上位常連である。罰金の厳格化は事故減の切り札とされるが、現場での運用が公平かつ一貫しているかは引き続き注視が必要である。