タイ北部の国立公園で森林に火を放った22歳の男が「楽しみでやった」と自供した。場所はピッサヌローク県チャートトラカーン郡のチャートトラカーン滝国立公園。連日のPM2.5危機に苦しむ北部で、放火動機が「消火に走る公園職員を見るのが楽しいから」と語ったのは衝撃である。
国立公園野生動物・植物保全局第11分局(ピッサヌローク担当)は19日、放火犯の逮捕を公表した。4月18日午前9時30分、職員が公園内のパトロール中に不審な行動をとる男を発見。身柄確保したところ、ピッサヌローク県チャートトラカーン郡ターサケー地区在住のモティナ容疑者(22、姓は非公開)と判明した。
同公園は1月15日から4月30日まで入山禁止期間中である。乾季の火災多発を踏まえ、公園長のパッチャラ・パンプムポー氏が毎年この時期に禁止措置を打ち出している。にもかかわらず容疑者は規制を無視して侵入し、乾燥した草地に火を点けていた。
取り調べで容疑者は犯行動機を「楽しみでやった」と供述した。具体的には「職員が火を消すのに走り回るのを見たかった」という趣旨である。遊び半分の放火で、毎年北部を襲う煙霧被害の深刻さをまったく意識していない。
北部PM2.5の原因には、ミャンマー・ラオスからの越境煙、農地の野焼きに加え、こうした「気まぐれな放火」も一定の割合を占めている。タイ政府は衛星画像と現場パトロールで火災発生源を特定する仕組みを強化してきたが、発見が遅れれば数十ヘクタールが焼失する。
容疑者は国立公園法と森林法の違反で立件される見込みである。罰則は禁錮最大20年、罰金最大200万バーツ(約850万円)と重い。遊び半分の放火が自身の人生も焼き尽くす結果になる。
チャートトラカーン滝国立公園はピッサヌローク北部の景勝地で、5月の雨季入り後に開園予定である。乾季の森林火災を繰り返さないための取り締まりが継続される見通しだ。