ホアヒンのビーチで4月17日朝、英国人男性(75)が遊泳中に離岸流に巻き込まれ行方不明になり、数時間後に遺体が発見された。恋人がビーチから見守る中での悲劇だった。
男性はタイに長期滞在中で、毎朝同じビーチで泳ぐのが日課だったとされる。この日はホアヒン海岸の波が普段より荒く、他の遊泳者はいなかった。それでも男性は海に入り、フェリー航路に近い湾口付近で強い離岸流に捕まった。恋人は岸から声をかけながら見守っていたが、男性は波間に消えた。海岸警備隊と地元警察・救助隊が捜索を行い、数時間後に近くの海岸に遺体が流れ着いているのを発見した。
離岸流(リップカレント)は沖に向かって速く流れる海流で、泳ぎの得意な人でも対処を誤れば溺れる危険がある。対処法は「流れに逆らわず、流れと平行に泳いで岸に近い別の場所から戻る」ことだが、パニックに陥ると体力を消耗して溺れやすい。高齢者は体力の限界から抵抗できなくなる速度も早い。
ホアヒンはプラチュアップキーリーカン県の海岸リゾートで、バンコクから約200kmの距離にある。欧米の長期滞在者が多く住む地域で、冬季はヨーロッパから多くの高齢旅行者が移り住む。タイの熱帯気候と手頃な生活コストから、リタイア後の移住先として人気が高い。
ホアヒンの海は比較的穏やかだが、ソンクラーン前後の4〜5月は波が高くなりやすい。地元当局は外国人や高齢者に対して、天候や波の状態を確認した上で遊泳するよう注意を呼びかけている。