タイ警察は4月18日、元副NPA長官スラチェット・ハクパーン氏(通称ビッグ・ジョーク)ら4人を起訴するよう検察に正式に要求した。NACC(国家反汚職委員会)委員に金塊を渡してオンラインギャンブル捜査の手心を求めたとされる大型贈収賄事件で、警察は捜査過程で入手した司法妨害の音声クリップも同日に公開した。
会見は同日12時、中央捜査局(CIB)本部で行われた。トライロン・ピオパン副監察官(警察庁報道官)をはじめ、ジャルーンキアット・パーンキアオCIB副長官、シリワット・ディポー サイバー犯罪対策第1課長、プラソン・チャルームパン汚職取締警察(PCAC)長官、パヌマート・セーンソン PCAC第1課長が同席した。
事件はNACCから警察に調査が委任されたもので、ハクパーン氏が金塊を使ってNACC委員を買収し、オンラインギャンブルに関する捜査に便宜を求めた疑いである。決め手となったのは元側近のパックプム・ピーサマイ警察大佐が提出した動画と音声で、2024年9月1日にカンチャナピセーク通りの南部タイ協会事務所で金塊が渡されたとの証言も添えられた。
トライロン副監察官によると、担当官は人証・物証・書証を積み上げ、関係者の公平性にも配慮した結果、ハクパーン氏に加え、ソンバット氏、ソーンポン氏、スラシット氏の計4人について起訴相当と判断した。案件はすでに検察庁に送致されている。
警察側はあわせて、Facebookなどで偽ニュースを拡散して事件を歪めようとする「アバターページ」群の存在も告発した。事件を擁護する情報や捜査陣を揶揄する書き込みを繰り返すアカウントが複数特定されており、組織的な妨害が進んでいたと指摘している。
ハクパーン氏は警察庁副長官という最高幹部まで上り詰めたが、オンラインギャンブル網との関係を巡る捜査が進むなかで昨年解雇された。元警察幹部が贈収賄で検察送りとなるのは異例の展開で、NACCと警察庁の威信がかかる大型案件となった。