カンチャナブリー県サンクラブリー郡で4月12日、ガソリン約400リットルをスイカの山の下に隠してミャンマーへ密輸しようとしていた56歳のタイ人男性が逮捕された。軍の特別任務部隊と警察がノンルー地区の検問所で日産の赤いピックアップトラックを停車させたところ、荷台に大量のスイカが積まれていた。
男は「サンクラブリーでスイカを売りに行く」と説明したが、スイカを取り除いていくと下からガソホール(E10ガソリン)95が14缶、合計395リットルが発見された。男はスイカの下に燃料を隠し、国境の三塔峠(チェディサムオン)を越えてミャンマー側の仲間に転売する計画だった。
なぜガソリンをミャンマーに密輸するのか。答えは単純な価格差だ。タイでは政府の燃料補助金によってガソリン価格がある程度抑えられているが、ミャンマーでは補助がなく市場価格で取引される。両国の価格差が大きい時期には、タイ側でガソリンを買い集めてミャンマー側で高値で売ることで1リットルあたり数十バーツの利ざやが生まれる。燃料危機が深刻だった2026年3月から4月にかけては、この価格差が特に拡大しており、密輸の「旨味」が増していた。
カンチャナブリー県のサンクラブリー郡はタイ・ミャンマー国境に接する町で、三塔峠は両国の行き来が許可された正規の国境検問所だ。国境付近では農産物の取引や観光客の往来がある一方、燃料・食料品・日用品の密輸も後を絶たない問題となっている。検問所での検査は農作物の荷台を徹底的に調べることで、こうした隠匿密輸を摘発する体制を取っている。
今回の逮捕は、燃料危機の深刻化が国境地帯での密輸活動を活発化させているという実態を示す一例だ。当局は今後も国境付近での監視と取り締まりを強化する方針だ。