コンケン市内の灌漑水路(Ban Kota、Sila地区)で2026年4月12日、ソンクラーン休暇中の市民と観光客が40度超える猛暑を避けて大挙して水遊びに訪れた。普段は農業用水路として管理されているこの場所が期間中は即席ビーチと化し、家族連れ・学生・屋台業者が賑わった。
コンケンのこの日の気温は40度を記録し、タイ気象局の観測史上でも上位の暑さだった。エアコンのない農村部の家庭にとって、水遊びできる水路は天然のクーリングスポットだ。地元の飲食店からはソーシャルメディアのレビューを見て来たという人も多く、コンケン観光新スポットとして一時的に機能した。
ただし灌漑水路での水遊びには安全上のリスクがある。溺水の危険・農薬・肥料が含まれた農業用水への曝露・水中の鋭利な農機具の残骸など、整備された海水浴場とは異なるリスクがある。コンケン県農業局は「灌漑水路は農業専用インフラであり、水浴び推奨施設ではない」としながら、ソンクラーン期間中の緊急対応として地元ボランティアによる見守り活動を配置した。
コンケンはタイ東北部(イサーン)の主要都市で、医療・大学・工業の集積するハブ都市だ。バンコクやプーケットのような海がなく、公営プールも充足していない。市民が灌漑水路や池・ダムに集まる背景には、都市インフラとしての水辺スポット整備の遅れがある。
タイ政府の2025〜2030年「クールシティ政策」ではバンコクと主要地方都市への公共プール・水景施設の整備が盛り込まれているが、優先度はまだ低い。熱波が常態化する気候変動の中で、地方都市の「涼」へのアクセス格差は社会インフラとしての課題だ。