チョンブリー県バンラムン郡ノーンプルー地区にあるPTTスタンドのEV充電ステーション(スクンビット道路バンナー・トラート方面)で2026年4月12日、EV利用者同士が充電の順番をめぐって殴り合いになる騒動が起きた。4台の充電器に8つの充電口があり、事前予約なしで利用できる現場で待ち時間のストレスが爆発した。
事件の経緯
目撃者のタナ氏(56歳)が撮影した動画がJAECOO J5 THAILANDのFacebookグループに投稿され、拡散した。「俺が先に並んでいた」「割り込んだのはお前だ」という言い争いから始まり、双方が手を出す事態に発展した。居合わせた別の利用者が体を張って止め、大事には至らなかった。
現場は充電器の前と後ろに駐車スペースがある構造で、前は充電専用、後ろは順番待ち用の合計8枠だった。予約不要のため到着した順番についての認識が一致せず、口論に発展した。
EV普及と充電インフラのギャップ
タイではEVの普及が急速に進んでいる。タイ自動車工業会のデータによれば、2025年のEV新車販売は前年比で大幅増加し、乗用車全体の15%を超えた。一方、充電インフラの整備は販売台数の伸びに追いついていない。
EVACの充電スポット数は2025年末時点でタイ全国に約2万か所だが、その多くが商業施設や大都市に偏っている。ソンクラーン連休のような長距離移動が集中する時期には、既存の充電ポイントに利用者が殺到する。
ガソリン危機とEV需要急増の関係
2026年3月から続く燃料危機でガソリン・ディーゼルが高騰し、EVへの乗り換え・関心が急増している。しかし急に増えたEVが従来のインフラを使うため、需要と供給のミスマッチが拡大している。充電30分〜1時間という待ち時間は、ガソリン補給の数分と比べて圧倒的に長く、混雑時の不満が蓄積しやすい。
日本では充電スポットが急増しており、主要なコンビニや高速SAでは複数台の急速充電器が設置されている。タイでも急速充電(DC)の普及は進んでいるが、低出力の交流(AC)充電器が多く占める現状では、1台あたりの充電完了時間が長い。
解決策と今後の課題
こうしたトラブルを防ぐには、予約システムの導入、表示板による待ち時間の可視化、そして充電ポイントの増設が必要だ。タイEVアソシエーション(EVAT)は政府と連携して「2026年中に公共充電ポイントを5万か所超にする」という目標を掲げているが、達成には官民の迅速な対応が求められる。