タイで圧倒的なシェアを持つメッセージアプリ「LINE」が、災害や緊急時に自分の無事を知らせる「LINE Safety Check(セーフティチェック)」機能の全国一斉訓練を実施した。6月26日午前11時から午後5時まで行われ、利用者は実際の災害を想定して操作を試すことができた。地震や洪水が相次ぐタイで、使い慣れたアプリを安否確認の手段として根付かせる狙いがある。
「Safety Check」とは何か
LINE Safety Checkは、地震や洪水などの緊急時に、自分の安否状況をワンタップで登録し、家族や友人に無事を伝えられる機能だ。同時に相手の状況も確認できるため、災害で連絡が取りにくくなる中でも、互いの無事をすばやく共有してパニックを抑える効果が期待されている。
今回の訓練は、実際の災害が起きていない平常時に操作を体験してもらうことが目的だった。いざという時に慌てず使えるよう、機能の場所や使い方をあらかじめ知ってもらう。
官民15団体による防災キャンペーン
この取り組みは、LINEタイランドが政府機関や民間企業など15の団体と連携して進める防災キャンペーン「Lifeline: Prepared Before Crisis(危機の前に備える)」の一環である。キャンペーンは大きく二つの柱で構成される。
一つは「Be Informed」で、公式アカウント「LINE Alert」を通じて信頼できる緊急情報や公的なお知らせを受け取れるようにするもの。もう一つが「Be Checked」で、今回訓練が行われたSafety Checkの利用を広げる取り組みだ。
地震・洪水が増えるタイで
タイでは2025年に首都バンコクでも大きな揺れを感じる地震があり、緊急情報の伝え方が課題となっていた。政府は携帯電話への緊急速報(セルブロードキャスト)の試験も進めており、今回のLINEの動きもこうした防災力強化の流れに沿ったものだ。
タイの携帯利用者の大半が日常的にLINEを使っているため、専用アプリを新たに入れる必要がない点は大きな利点となる。タイで暮らす日本人にとっても、家族や職場との安否確認に使える身近な備えといえそうだ。
