エクニティ副首相兼財務大臣は、日本の「ふるさと納税」をモデルにした新しい税制の研究を財政政策局に指示した。実現すれば、タイの納税者が自分の税金の一部を好きな地方自治体に振り向けられるようになる。
ふるさと納税は日本で2008年に導入され、都市部の住民が地方の自治体に寄付すると所得税と住民税から控除を受けられる仕組みである。2021年度には740万人以上が利用し、寄付総額は約8300億円に達した。返礼品として地方の特産品を受け取れることもあり、国民的な制度として定着している。
タイ版の構想では、納税者が税金の一部を特定の県やコミュニティに直接配分できるようにする。地方のインフラ整備や観光開発、農村振興など幅広い用途に充てられる見通しで、地域間の経済格差の是正が主な狙いである。
タイは首都バンコクへの一極集中が長年の課題であり、地方経済の活性化は歴代政権が取り組んできたテーマである。日本のふるさと納税のように「納税者が使い道を選べる」仕組みは、税金への当事者意識を高める効果も期待できる。
研究の完了時期や具体的な制度設計はまだ示されていないが、日本で実績のある仕組みを参考にしている点で実現可能性は高いとみられる。日本にゆかりのあるタイ在住者にとっては馴染み深い制度がタイにも広がるかもしれない。




