保護観察局長が2026年4月11日、ソンクラーン「危険な7日間」初日(4月10日)の飲酒運転検挙件数を発表した。全国で353件が摘発され、チェンマイが最多、次いでサムットプラーカーン、バンコクの順だった。
数字の意味
353件という検挙件数は「報告された件数」であり、実際の飲酒運転の件数ははるかに多いとみられる。道路安全対策センターが同日発表した初日の交通事故統計は135件・死者20人・負傷者132人で、事故原因の最多はスピードの出しすぎ、次いで飲酒運転だった。
検挙件数の81%がオートバイ乗車中の飲酒検挙で、残りが乗用車だった。タイでは飲酒運転の取り締まりに呼気検査装置(アルコールチェッカー)を用い、基準値(0.5mg/ml以上)を超えた場合は現場で処分・免許没収の措置が取られる。
チェンマイが全国最多の理由
チェンマイはソンクラーンの発祥地の一つとして知られ、全国から観光客・帰省者が集まる。旧市街のお堀周辺や夜市エリアで連日大規模な水かけイベントが開催され、飲酒の機会が多い。全国に先駆けて水かけが始まるチェンマイでは「早めに飲んで早めに運転する」という行動パターンが検挙数に反映されやすい。
サムットプラーカーンはバンコクの隣接県で、工業団地が多く労働者人口が密集している。休日に飲酒して車・バイクで移動するケースが多いとみられる。
飲酒運転への対応策
タイは飲酒運転に対して2019年に法改正を行い、重大事故を引き起こした場合の最高刑を引き上げた。また繰り返し違反者には強制的な保護観察が課される。しかし文化的な慣習と法整備のギャップは大きく、特に地方・農村部での飲酒後運転は今なお日常的に行われている。
日本ではソンクラーン同様に年始や盆・暮れに飲酒運転件数が増えるが、罰則の厳しさ(最大懲役5年・罰金100万円以下)と社会的制裁が強力な抑止力となっている。タイでも罰則の強化は続いているが、執行の均一性と社会的な意識の醸成が引き続き課題だ。