国家経済社会開発委員会(NESDC)のダヌチャー事務局長は、中東紛争の長期化とホルムズ海峡の1カ月超にわたる閉鎖が世界のエネルギー市場の信頼を大きく揺るがしていると指摘した。タイ経済について4つのシナリオを提示し、最悪のケースではGDP成長率がゼロまたはマイナスに転落すると警告した。
最も現実的とされるシナリオ2では、タイを含む多くの国がスタグフレーション(景気後退と高インフレの同時進行)に陥る。GDP成長率は0.9%、インフレ率は4.4%に達する見通しである。紛争が6〜9カ月続くシナリオ3では成長率0.2%、インフレ5.8%まで悪化し、エネルギーと食料の不足が深刻化する。
財務省のラワロン事務次官は「タイはもともとインフレ率が低く、物価上昇を吸収するバッファーがある」と一定の楽観を示した。4月11日の閣議にはエネルギー危機対応の7つの救済措置が提出される予定である。
タイ商工会議所大学のタナワット学長はGDP予測の中央値を2%とし、紛争が1カ月以内なら1.6%、1〜3カ月なら1.0〜1.5%、6カ月超ならゼロ成長もありうるとの見方を示した。政府がコンラクルンPlus等の消費刺激策を実行すれば1.0〜1.5%に持ちこたえられるという。
不動産業界への影響も深刻である。原油高は鉄鋼やセメントの輸送・生産コストを押し上げ、デベロッパーの利幅を圧迫している。銀行の融資基準も厳格化しており、住宅ローンの審査落ちが増加する懸念がある。




