道路安全対策センター(CRSSC)は2026年4月11日、ソンクラーン「危険な7日間」初日(4月10日)の統計を発表した。交通事故が135件発生し、20人が死亡、132人が負傷した。
事故原因の内訳
死亡事故の最大原因はスピードの出しすぎで、全事故の約30%を占めた。飲酒運転が20%超、信号無視や危険な追い越しがそれに続いた。初日の飲酒運転の検挙件数は353件に上り、チェンマイ県が全国最多だった。
副警察長官を務めるサムラーン・ヌアルマ氏が記者会見で発表した。帰省ラッシュのピークは翌日以降に控えており、「取締りと啓発を一層強化する。危険運転には即時処分で臨む」と強調した。
ソンクラーン「危険な7日間」の統計
タイでは毎年ソンクラーンの連休を「危険な7日間」と呼ぶ。2025年の7日間の集計では死者数が約283人、負傷者数は2,400人超に達した。2024年は死者約374人で、コロナ禍で外出が制限された2021〜2022年を除けば毎年数百人規模の死者が出ている。
2026年は燃料高騰の影響で長距離移動を控える家庭が増え、交通量自体は例年より少ないとみられていた。しかし速度超過と飲酒運転の組み合わせによる事故は変わらず起きており、交通量が減れば道路が空くことで逆に速度が上がるというジレンマもある。
速度超過が最大原因になる理由
タイの幹線道路の多くは制限速度が90〜120km/hだが、日常的にそれを大幅に超えた速度で走行する車両が多い。連休中は交通量が変則的になり、深夜の空いた時間帯に高速走行するドライバーが増える傾向がある。飲酒を加えると反応速度が落ち、死亡事故のリスクが跳ね上がる。
チェンマイが飲酒運転検挙数で全国最多になった背景には、ソンクラーンの発祥地として祝祭ムードが高く、飲酒機会が多いことが挙げられる。地方の幹線道路は歩道や中央分離帯が整備されていない区間も多く、事故が致命的になりやすい。
政府の取り組みと課題
政府は危険な7日間の前後から、検問の強化、酒気帯び検査の増加、ヘルメット着用キャンペーンを実施している。違反者には即時の行政処分と罰金を科すほか、累犯者の免許停止も実施する。しかし、タイの交通事故死亡率は年間約1万7,000人(WHOデータ)で、依然として世界でも最高水準にある。
日本と比較すると、タイの人口10万人あたりの交通事故死亡者数は約25人で、日本(約2.5人)の10倍に達する。規制よりもドライバー文化や道路インフラの問題が根深く、短期間での改善は難しいとされている。