ウタイターニー県ノーンチャーン郡で、交通担当の副警部補が電気設備店の前に落ちていた現金1,000バーツを発見し、防犯カメラを辿って持ち主に返却した。地元住民からは「当たり前のことを当たり前にやる警官がいる」と称賛の声が上がっている。
副警部補は勤務中にパトロールをしていたところ、店舗前の路上に紙幣が落ちているのに気づいた。周囲に人影はなく、そのまま届け出もなかったため、自ら近隣の防犯カメラ映像を確認し、落とした人物の特定に乗り出した。
複数のカメラ映像を精査した結果、落とし主の男性を突き止めることに成功。連絡を受けた男性は涙ぐみながら現金を受け取ったという。副警部補は取材に対し「1,000バーツはとても大きな金額だ。最近は景気も良くないから、落とした人はさぞ困っていただろう」と語った。
タイでは物価上昇や燃料高騰が家計を圧迫しており、スダラット氏が「コロナやトムヤムクン危機を超える」と警告するほど経済状況は厳しい。日雇い労働者にとって1,000バーツは1日分以上の収入に相当し、副警部補の行動は単なる美談にとどまらず、庶民の生活実感を映し出すエピソードとして共感を呼んでいる。
落とし物を届ける行為は日本では珍しくないが、タイでは警察への信頼が揺らぐ事件も少なくない。今回のように防犯カメラまで駆使して持ち主を探し出した誠実な対応は、地域社会における警察と住民の関係を象徴する出来事といえる。