与党プームジャイタイ党の重鎮ニコン・ジャムノン氏が、今年のソンクラーン「危険な7日間」について独自の見解を示した。燃料価格の高騰により帰省や旅行を控える人が増えるため、交通事故死者数は昨年(仏暦2568年)より減少するとの予測である。
ディーゼル価格がリッター50バーツを突破する異常事態の中、世論調査でも「自宅待機」を選ぶ人が最多となっており、ニコン氏の分析には一定の根拠がある。移動そのものが減れば事故件数も下がるという単純な論理だが、裏を返せば経済的理由で祝祭を楽しめない国民が増えている現実を映し出している。
ただしニコン氏は同時に、カープール(相乗り)の増加がもたらすリスクにも言及した。燃料費を節約するために1台の車に家族全員が乗り込むケースが増え、万が一の事故で「一家全滅」となる悲劇を懸念している。実際、すでにソンクラーン前日にも帰宅途中の追突死亡事故が発生しており、油断は禁物である。
政府は10日に「危険な7日間」の対策本部を始動させ、首相自ら飲酒運転の禁止を訴えている。高速道路やモーターウェイの無料開放で交通分散を図る一方、燃料高による移動手段の変化が安全面にどう影響するかは未知数である。
「死者が減るのは良いことだが、その理由が燃料高で移動できないからというのは喜べない」——ニコン氏の発言は、エネルギー危機下のタイ社会が直面するジレンマを端的に表している。