ブリーラム県ラハンサイ郡のカンボジア国境に接するノンウェン村では2026年4月10日、過去2年間に国境を挟んだ軍事衝突が2度あったにもかかわらず、今年のソンクラーンを豪快に祝った。「今は静かだ。鳴りやむまで避難し、落ち着いたら戻る。それだけ」と地元住民は語った。
国境の村のソンクラーン
ラハンサイ郡ノンウェン自治体主催のソンクラーン行事が、ランパテア貯水池で開かれた。水遊び・砂の城作り・高齢者のコンテストなど、若者から老人まで楽しめるプログラムが組まれた。
自治体長のブントン・スリウォンサ氏は「住民が2度の国境緊張で避難した苦労を労うため、今年は例年以上に盛大に祝いたい」と語った。タイのソンクラーンは新年行事であると同時に、地域コミュニティの絆を確認する場でもある。
2度の衝突を乗り越えた住民
ブリーラム県南部はカンボジアとの国境地帯で、過去に領土問題を巡る緊張があった。2度の小規模衝突では、国境付近の住民が一時的に避難する事態になった。それでも住民は「今は状況が落ち着いている。軍からも緊急連絡はきていない」と楽観的に構えていた。
「国境地帯に住むとはそういうことだ。緊張があれば動き、収まれば戻る」という声は、タイ東部・東北部の国境沿いに暮らす住民の現実的な対応を示している。
タイ・カンボジア国境の歴史
タイとカンボジアの国境は、一部の地域で複雑な歴史的経緯がある。特にプレア・ヴィヘア寺院周辺(ウボンラーチャターニー県側)では2008〜2011年に武力衝突が複数回発生し、死傷者が出た。ブリーラム県南部も過去に緊張が高まったことがある地域だ。
2015年以降は比較的安定しているが、両国の外交関係によって局所的に緊張が高まることがある。住民は長年の経験から、緊張の度合いを見極めながら生活する術を身につけている。
ソンクラーンの意味
タイのソンクラーンは仏暦新年の行事で、4月13〜15日が正式な祝日だ。水を掛け合う風習は「穢れを洗い流す」意味がある。年長者に水を注いで祝福を求める「水かけ礼拝」の伝統も生きている。
国境の村でも水かけ祭りを例年通り開催できることは、住民にとって日常の回復と平和の象徴でもある。
