タイの工業団地大手アマタグループの子会社「アマタU」が、ラオス国営電力公社(EDL)とスマートエネルギー網の共同開発に関する覚書(MOU)を締結した。対象となるのはラオス北部ナモー郡に建設予定の「Amata Smart & Eco City」で、300〜400メガワットの電力需要に対応するインフラ整備を目指す。
調印式にはラオス側からジャンセーウェン・ブンヨン工業商業副大臣、タイ側からクロンカニット・ラックチャルーン駐ラオス大使が立ち会い、官民連携の枠組みとして注目を集めた。両国政府が後ろ盾となることで、発電から送電、電力管理までを一体的に計画できる体制が整う。
アマタUのチャワリット・ティッパーワニット最高経営責任者(CEO)は「次世代の工業都市開発において電力は最も重要な要素だ」と強調した。単に十分な電力を確保するだけでなく、各産業の特性に合わせたエネルギー供給体制の構築が不可欠だとの認識を示している。
アマタはタイ国内でチョンブリー県やラヨーン県に大規模工業団地を運営しており、日系企業を含む多数の製造業が入居している。近年はタイ国外への展開を加速しており、ベトナムに続くラオスへの進出は、中国・ASEAN経済回廊の結節点としてラオス北部の地政学的な優位性に着目したものとみられる。
在タイ日系企業にとっても、サプライチェーンの多角化や労働コストの低い拠点確保の選択肢として、ラオス北部の工業都市構想は今後注視すべき動きである。電力インフラが整備されれば、製造業の進出障壁が大幅に下がる可能性がある。
