京都府にある龍谷大学(Ryukoku University)が2026年4月から、タイの仏教瞑想を正規科目として開講し、タイ人僧侶2人を非常勤講師として招聘した。科目名は「Samatha-Vipassana in Buddhism and Modern Mindfulness」で、70人以上の学生が受講登録している。
招聘された僧侶
今学期担当する2人は、栃木県のワット・パーダンマカーイ・ナーナーチャート(栃木国際ダンマカーイ寺)の住職プラ・クルーパラット・スネート師と、ワット・プラタンマカーイ・トシンギの住職プラ・マハー・ポンサック・タニーヨ師だ。どちらもタイ・パトゥムターニー県のワット・プラタンマカーイを母寺とし、日本に長期駐在している。
2人は計15回の授業を担当し、仏教の瞑想理論(サマタ—サマーディ、ヴィパッサナー—洞察瞑想)と実践演習の両方をカバーする。学生には瞑想日記(Meditation Diary)への記録が課題として課される。
龍谷大学の背景
龍谷大学は浄土真宗本願寺派を母体とする仏教系大学で、仏教学の研究では日本屈指の実績を持つ。外来の上座部仏教の瞑想実践を正規科目に取り込むのは、現代のマインドフルネスへの関心の高まりと、仏教の学術・実践教育を融合させようという試みだ。
タイ上座部仏教と日本の仏教の違い
タイは上座部(テーラワーダ)仏教の国で、在家信者も定期的な瞑想修行が慣習となっている。日本の仏教は大乗仏教で、葬儀・法要が中心の「葬式仏教」と揶揄されることもある。龍谷大の取り組みは、タイの実践的な瞑想文化から日本仏教が学ぶ逆輸入の形でもある。
日本でもマインドフルネス(MBSR)の普及で瞑想への関心が急増しており、瞑想を「宗教」としてではなく「精神的健康法」として受け入れる層が広がっている。龍谷大の科目はその接点に位置する。
タイ・日本の仏教交流
タイと日本の仏教交流は歴史的に長く、タイ国王から贈られた仏舎利(仏陀の遺骨)が日本各地の寺院に安置されている。在日タイ人コミュニティを中心にタイ式寺院が日本各地に設立されており、栃木・千葉・神奈川などに主要拠点がある。今回の招聘はその延長線上にある学術的な連携だ。