京都の龍谷大学が2026年度第1学期から、タイの僧侶を講師に迎えた瞑想の実践講座を正規科目として開講した。現代仏教学プログラムの一環として設けられたもので、受講登録者はすでに70人を超えている。
講座の正式名称は「仏教とモダンマインドフルネスにおけるサマタ・ヴィパッサナー」。サマタ(止)とヴィパッサナー(観)はタイの上座部仏教で実践される伝統的な瞑想技法であり、近年欧米で広がるマインドフルネスの源流にあたる。講座ではその本来の文脈を学術的に掘り下げながら、実践を通じて理解を深める構成となっている。
指導にあたるのはタイから招聘された僧侶で、日タイの大学間における異文化学術連携の一環として実現した。龍谷大学は浄土真宗本願寺派を母体とする仏教系大学であり、大乗仏教の伝統に立つ日本側と上座部仏教圏のタイ側が直接交わる点に学術的な意義がある。
日本では企業研修や医療現場でマインドフルネス瞑想を導入する動きが加速しているが、その多くは宗教的文脈を切り離した形で普及してきた。今回の講座は仏教の教理と瞑想実践を一体として扱い、現代のマインドフルネスブームを原点から問い直す試みといえる。
大学の正規課程でタイ僧侶が直接瞑想を指導する例は日本では珍しい。70人を超える受講希望は学生の関心の高さを示しており、仏教を軸にした日タイの文化・学術交流の新たなモデルとして今後の展開が注目される。