4月9日午後3時ごろ、スックサワット通りで中古車販売員として働くコーンキット・プアプラサートさん(52歳)は、配車アプリを使って帰宅した。乗車賃187バーツを500バーツ札で支払い、運転手から100バーツ札3枚を釣り銭として受け取った。その翌朝、市場で食事を買おうとして屋台の店主から指摘を受け、釣り銭に偽造100バーツ札が混じっていたことが判明した。
偽札の見分け方
店主は紙幣の色が薄いことに気づき、光にかざしたところ国王の透かし模様が確認できなかった。コーンキットさんはすぐに別の紙幣で支払いを済ませ、問題の紙幣を手元に保管した。
もしそのまま使い続けていた場合、偽造通貨行使として刑事責任を問われる可能性があった。タイ刑法では、偽造と知りながら使用した場合はもちろん、不注意による使用も捜査対象となりうる。危うく被疑者になるところだったと本人は振り返る。
本物の100バーツ札には国王の肖像の透かし模様があり、紙質にも独特の手触りがある。また特殊インクによる色の変化など複数のセキュリティ要素が施されている。車内・夜間など暗い環境では偽札を発見しにくいため、受け取り直後の確認が重要だ。
燃料危機下で偽札が流通する背景
タイ警察は2026年以降、偽造紙幣に関する注意喚起を各地で行っている。経済の不安定化と生活苦が背景にあるとされ、特に50バーツ・100バーツ・1,000バーツ札の偽造品が流通しているとの報告がある。
今回の被害者が利用した配車アプリは、現在でも現金払いができる仕組みになっている。支払いを電子決済で行えば偽札を受け取るリスクを避けられる。タイではPromptPay(プロンプトペイ)やQRコード決済が急速に普及しており、現金を極力使わないライフスタイルへの移行も選択肢のひとつだ。
釣り銭を受け取る際の注意点
警察は次の3点を推奨している。受け取り直後に紙幣の表面と透かしを確認すること、暗い場所では後で明るい場所で必ず確認すること、不審な紙幣は警察に届け出ることだ。偽札と知らずに受け取った場合は犯罪には問われないが、届け出なければその先の追跡が困難になる。