バンコク近郊で配車アプリを利用した52歳の男性が、運転手から受け取った釣り銭に偽造100バーツ札が混入していたことが判明した。経済の停滞が続くなか、少額紙幣の偽造が広がりつつあるとして警察が注意を呼びかけている。
被害に遭ったのは、スックサワット通り沿いで中古車販売員として働くコーンキット・プアプラサートさん(52歳)である。4月9日、プラチャーウティット通りからラマ2世通りへ向かう際に配車アプリで車を手配し、運賃187バーツを500バーツ札で支払った。運転手から釣り銭として100バーツ札3枚を受け取ったが、その場では確認しなかったという。
翌朝、コーンキットさんがその紙幣で食事を購入しようとしたところ、屋台の店主が異変に気づいた。紙幣の色が通常よりも薄く、光にかざしても国王の透かし模様が確認できなかったのである。店主から偽札の可能性を指摘されたコーンキットさんは、すぐに別の紙幣で支払いを済ませ、問題の紙幣を保管した。
もしそのまま偽札と知らずに使用を続けていれば、偽造通貨の行使として刑事責任を問われる可能性もあった。タイ刑法では、偽造と知りながら偽札を使用した場合はもちろん、過失による使用でも捜査対象となりうる。コーンキットさんは危うく容疑者になるところだったと振り返る。
専門家は、釣り銭を受け取った際にはその場で紙幣の質感や透かしを確認するよう勧めている。本物の100バーツ札には国王の肖像の透かしが入っており、紙質にも独特の手触りがある。特に夜間や車内など暗い場所での受け渡しでは偽札を見分けにくいため、帰宅後にでも改めて確認する習慣が重要である。景気低迷の影響で少額紙幣の偽造が増加傾向にあるとされており、在タイ日本人も日常の現金取引には十分な注意が必要だ。