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カシコン銀行「最悪ケースでGDP 0.3%」タイはアジア最大のエネルギー赤字国

経済出典:khaosod2026/04/04 14:00

カシコン銀行の調査部門が、原油が130ドルを超えた場合にタイのGDP成長率が0.3%まで落ち込むと警告した。タイはアジアで最大のエネルギー貿易赤字国であり、原油高に最も脆弱だと分析している。

カシコン銀行系列のカシコンリサーチセンターが、中東情勢の長期化による原油高がタイ経済に与える影響を2つのシナリオで試算した。いずれのケースでも、当初予測の1.9%成長は達成困難との見方を示している。

第1のシナリオは「紛争の長期化」で、原油価格が1バレル100ドル超の水準を3か月間維持する場合だ。この場合、インフレ率は2.9%に上昇し、GDP成長率は1.2%まで低下すると見込む。第2のシナリオは「紛争のさらなる拡大」で、原油が130ドルを3か月間超える場合である。インフレ率は5.5%に急騰し、GDP成長率はわずか0.3%まで落ち込むと予測した。

同センターが特に強調したのは、タイがアジアで最大のエネルギー貿易赤字国であるという構造的な脆弱性だ。原油はタイの輸入品目第1位、肥料が第5位を占め、いずれも中東からの依存度が高い。ディーゼル価格が1リットルあたり1バーツ上昇するごとに物流コストが3%増加するとの試算も示された。

3つの経済団体がGDP予測を1.2〜1.6%に引き下げたのに続く形で、カシコン銀行の試算はさらに踏み込んだ最悪シナリオを提示した。モルガン・スタンレーも「タイのディーゼルは構造的に逼迫」と指摘しており、国内外の金融機関がタイ経済のリスクに警鐘を鳴らしている。

輸出も1%未満の成長にとどまる可能性がある。中東の緊張がホルムズ海峡の航路に影響を与え、タイから中東向け輸出の3〜4%が直接的な打撃を受けるほか、欧州向けもリスクにさらされると分析した。観光面でも、タイ行きの1,000便が運休しており、インバウンド回復にも暗雲が垂れ込めている。

タイ中銀は年間を通じて政策金利を1%に据え置く見通しだ。インフレが加速するなかでも利下げ余地は限られ、景気刺激の手段が乏しい。原油依存型の経済構造を変えられなければ、タイは次のエネルギー危機でも同じ脆弱性にさらされることになる。