タイの航空局(CAAT)が、ソンクラーン後に航空各社がフライトを大幅に削減する可能性があると警告した。中東紛争に伴うジェット燃料の高騰が航空業界を直撃している。
ジェット燃料の価格は紛争前の1バレル80〜90ドルから170〜180ドルに急騰。一時200ドルを超える場面もあった。2月比で100%以上の上昇だ。航空会社にとって燃料費は総コストの30〜40%を占める最大の支出項目であり、この水準が続けば採算割れの路線が続出する。
すでに具体的な動きが出ている。タイ・エアアジアとエアアジアXは2026年夏スケジュールで国内線・国際線の一部路線を運休する方針を決めた。バンコクエアウェイズは4月1日からサムイ島・チェンマイ・プーケット便を中心に国内線運賃を15〜20%引き上げた。タイ国際航空も欧州・米国・中東路線の長距離便で減便を検討中とされる。
CAATはソンクラーン期間中(4月11〜17日)の混乱を避けるため、航空6社(タイ国際航空、バンコクエアウェイズ、タイ・エアアジア、ノックエア、タイ・ライオンエア、タイ・ベトジェット)と協議し、主要国内路線の運賃を最大30%引き下げる措置を実施した。ただしこれは繁忙期限定の対応であり、ソンクラーンが終われば値引きは終了する。
問題はソンクラーン後だ。4月下旬〜5月はタイの旅行オフシーズンに入り、需要が急減する。燃料高+需要減のダブルパンチで、LCC(格安航空会社)を中心に路線の統廃合が加速する見通し。CAATは「航空各社は運航計画を段階的に調整し、燃料コストと需要のバランスを取る」と説明している。
外国の航空会社にも影響は出ている。中東の航空会社は運航を段階的に再開しているが、通常時の半数程度にとどまる。バーレーンやクウェートの航空会社はサウジアラビアの空港を臨時拠点として使っている。紛争当事国の一部はまだ運航再開の目処が立っていない。
旅行者にとっての具体的な影響を整理する。
まず航空券の値上がり。燃油サーチャージの上乗せに加え、基本運賃自体が上昇している。バンコク〜チェンマイの片道がLCCで3,000〜5,000バーツ台に上がっているケースもある。早期予約が重要で、直前購入は割高になる可能性が高い。
次に便数の減少。特にバンコク〜地方都市のLCC路線(ウドンターニー、ナコンシータマラート、ランパーンなど)は採算が厳しく、運休リスクが高い。代替手段としてソンクラーン期間中は高速・モーターウェイが10日間無料になるほか、タイ国鉄も特別列車を増便している。
CAATは航空各社に対し、運航計画の変更がある場合は速やかに乗客に通知するよう指示している。予約済みのフライトがキャンセルになった場合、CAATの旅客保護規定に基づき代替便の手配または全額返金を受ける権利がある。4月中旬以降にタイの国内線・国際線を利用する予定がある方は、予約便の運航状況をこまめに確認すべきだ。
