ブリーラム県でかつて90台以上が走っていたソンテウ(乗り合いバス)が、燃料価格の高騰により現在わずか3台にまで激減した。97%の車両が運行を停止し、地方の公共交通が事実上壊滅している。
30年以上ソンテウの運転手を務めるジュム・ロアムルムさん(66)は「ディーゼル価格が上がり続け、1日の燃料代が200〜300バーツから500〜600バーツに跳ね上がった。運賃は変わらず、乗客も減り続けている」と窮状を訴える。ディーゼル価格は現在44.24バーツ/リットルで、直近の3.50バーツ/リットルの値上げが追い打ちをかけた。
30年来の利用者であるサンワン・ユンルムさん(63)は「今は3台しか走っておらず、1台しか来ない日もある。これ以上値上がりしたら完全に消えてしまい、市場や病院に行けなくなる」と不安を口にする。残った運転手たちも、乗客の運賃だけでは燃料代すら賄えない日があると語る。
バンコクでは水上バスが2週間で2回の値上げを実施し、長距離バスやミニバスも4月6日から値上げが決まっている。都市部は運賃を上げて対応できるが、地方のソンテウのように採算が取れなくなれば廃止するしかない。燃料危機の影響は都市と地方で質的に異なる。
ブリーラム県のソンテウは地方の高齢者や自家用車を持たない住民にとって唯一の移動手段である。運転手たちはこのままでは六輪のソンテウが「伝説」になってしまうと危機感を募らせている。燃料価格の高止まりが続けば、タイ各地の地方公共交通で同様の事態が起きる可能性がある。
