ペッチャブーン県の学校で、男性教師が14歳から17歳の女子生徒約10人と女性教師1人のスカートの内側を盗撮していたとする告発が3月末にSNSで広まり、大きな波紋を呼んでいる。被害者らが沈黙を強いられる状況に限界を感じ、自ら告発に踏み切った。
告発によると、この教師による問題行為は盗撮にとどまらなかった。授業中にタバコを吸う、自分の性器を露出する、生徒に性的な発言を繰り返すなど、複数の不適切行為が長期にわたって行われていたとされる。被害を受けた生徒たちは学校の管理職に相談したが、校長ら上層部は「この問題を公にしないよう」求め、内部処理で収めようとしたという。教師への処分が行われる気配がないまま状況が続いた。
「このまま黙っていたら次の被害者が出る」という危機感から、被害者たちはFacebook上の地元ニュースページ「ペッチャブーン地元ニュース(ข่าวท้องถิ่นเพชรบูรณ์)」に詳細な経緯を投稿した。記事が広まるにつれてコメント欄には批判と支持の声が交錯し、教育省や県教育委員会への問い合わせが相次いでいる。
しかし報道時点では、学校側・当該教師・教育省・県教育委員会のいずれも公式な声明や調査開始の発表を行っていない。被害者側が声を上げた後もなお、行政が沈黙を続けているという事実そのものが批判の対象となっている。
タイでは教員による性的ハラスメントや性犯罪が繰り返し表面化しており、学校という権力関係の非対称な環境が被害者を沈黙させやすい構造的な問題がある。2019年の法改正で未成年への性犯罪の罰則が強化されたが、学校内の隠蔽体質と報告窓口の機能不全が改善への障壁となっている。学校関係者がSNSで内部告発される事態は全国的に増えており、デジタル空間が被害者にとって最後の訴える場となるケースが後を絶たない。