タイ深南部ヤラー県の治安当局は4月2日、武装グループが都市部と経済区域への攻撃を準備しているとの情報を受け、警戒レベルを最高段階に引き上げた。市街地中心部と主要商業地区を重点監視区域に指定し、検問での車両検査を強化している。
情報当局の警告によると、想定される攻撃手法は多岐にわたる。パトロール中の治安部隊車両への攻撃、ガソリンスタンドやコンビニでの分散爆破、駐屯地や検問所への襲撃、救援部隊をおびき出すための囮爆発、さらには休暇で帰郷中の兵士を狙った攻撃も警戒リストに含まれる。車やバイクに仕掛けた即席爆発装置やパイプ爆弾の使用も想定されている。
実際に4月2日、正体不明の武装集団がM-16ライフルと散弾銃で交代中の治安部隊を銃撃し、兵士2人が負傷する事件が発生した。
今回の警戒態勢の背景には、非常事態令の延長がある。パッターニー5郡、ヤラー3郡、ナラーティワート10郡の計18郡で非常事態令が適用されており、スンガイコーロック郡は「重大緊急事態」区域に追加指定された。延長期間は4月20日から7月19日までで、84回目の更新となる。
深南部の不安定な治安状況は20年以上続いている。ソンクラーン期間中は帰省者や観光客の増加で人の移動が活発になり、攻撃のリスクが高まる時期でもある。タイ南部を訪れる予定がある場合は、現地の治安情報に十分注意が必要だ。