外国人観光客がカリフォルニアとタイの歩行安全を比較した動画を投稿し、SNSで話題を集めている。動画の結論は「タイでは人間よりも犬の方が怖い」というものだ。
投稿者はカリフォルニアでは人間による犯罪を警戒して歩くが、タイでは野犬の群れが最大の脅威だと語った。夜間の歩道に群れる野犬を映しながら「タイの犬は人に向かって吠えてくるし、追いかけてくることもある。でも人間はすごく親切」とコメントし、全体的にはタイに好意的な評価を示している。
タイの野犬問題は外国人の間で広く知られる話題だ。バンコクのソイ(路地)、チェンマイの観光地周辺、地方の村道など、至る所に野犬が群れている。多くはおとなしく人慣れしているが、縄張り意識が強い個体もあり、近づくと激しく吠えたり追いかけてきたりするケースがある。ランナーや自転車利用者が追いかけられる事例は珍しくない。
タイ農業・協同組合省の推計によると、タイ全国の野犬の数は200〜300万頭規模とされる。仏教の教えから生き物の殺傷を避ける文化があり、犬を引き取って飼う「功徳を積む行為」が根付いているため、捨て犬が増え続ける傾向がある。政府は不妊手術と予防接種を軸にした野犬管理プログラムを進めているが、頭数の削減には繋がっていない。
タイでは毎年1〜2万件の狂犬病咬傷事故が報告されており、ほとんどのケースは犬に噛まれたものだ。近年の狂犬病ワクチン普及で人の死者数は減ったが、ゼロにはなっていない。野犬に噛まれた場合は速やかに狂犬病ワクチン(PEP)を接種する必要がある。タイの主要都市の病院では接種可能で、費用は1回あたり300〜600バーツ程度だ。

