コンサートやライブイベントで「モチを食べると尿意が減る」という説がタイのSNSで話題になっている。「トイレに行かずにコンサートを最後まで楽しめる」という体験談が続々と投稿され、中医学・西洋医学の専門家が科学的な裏付けを解説した。
話題のきっかけ
「コンサート中に席を離れたくない」という感覚は世界共通だ。タイのSNSでは「開演前にモチを食べると尿意を感じにくくなった」という投稿が相次ぎ、「本当に効くのか?」という議論が広がった。特にBLACKPINKや防弾少年団などのK-POPコンサートが頻繁に開催されるタイでは、数時間にわたる公演中のトイレ問題は切実だという声もある。
中医学の解説
中医学・西洋医学の資格を持つ医師、泰昌堂診療所(タイ・チャン・タン)のヤン・ジェンミン院長が科学的な説明を提供した。
モチの主成分は「もち米(ข้าวเหนียว)」で、精製された糊化デンプンだ。大量の炭水化物を摂取すると、体内でグリコーゲンに変換されて筋肉・肝臓に蓄えられる。1グラムのグリコーゲン合成に約3〜4グラムの水が取り込まれる。この過程で摂取した水分が腎臓に直接送られず、組織に一時的に留まる。その結果、尿の生成が通常より遅れる。
もち米は一般的な米より粘度が高く消化が遅いため、「胃内での液体保持時間が長い」という追加の効果もある。中医学的には「もち米は脾臓(消化・代謝系)の働きを補い、水分代謝を安定させる食材」とされる。
西洋医学的な限界
ヤン医師は「効果はあくまで限定的で個人差が大きい」とも強調した。大量に水分を摂取した後にモチを食べても、腎臓への負担が増えれば尿意は抑えられない。糖尿病や腎臓病のある人は血糖・腎機能への影響に注意が必要だ。また消化の遅さが逆に胃もたれや不快感を生む場合もある。
日本の「もち」との違い
日本のモチ(餅)も原材料はもち米で同じだが、タイのモチ(ขนมโมจิ)は日本由来のスイーツで、求肥(ぎゅうひ)にフルーツやクリームを包んだものが主流だ。糖分と脂質の含量が日本の和菓子モチより高いことが多く、食べすぎには注意が必要だ。
科学的には「多少の尿意抑制効果はあり得るが、魔法のような効果ではない」というのが結論だ。