タイのベトナム国境関連の物流強化で、国営タイ郵便(Thailand Post)とベトナムの通信・物流大手Viettel Postが2026年3月、業務提携に向けたMOU(覚書)を締結した。タイ・ベトナム・中国を結ぶ「物流回廊」の開発が目的で、越境Eコマースの促進と輸送コストの削減を狙う。
提携の概要
締結式はタイの物流会社LEO(LEO Global Logistics)も加わり3社体制で行われた。タイ郵便がタイ国内の最後の1マイル配送を担当し、Viettel Postがベトナム側の配送インフラを活用、LEOが両国を結ぶ幹線物流を担う役割分担だ。
タイ・ベトナム・中国を直結する交通網としては、2008年開通のタイ東北部ノンカイからベトナムハノイを経由する陸路が活用できる。今回の提携ではこのルートを用いた越境荷物配送を商業化することが主な目的だ。
越境Eコマースの拡大
ASEAN域内の越境Eコマースは急速に成長しており、タイ・ベトナム間は特に中国製品の通過・再輸出拠点としての需要が高い。越境配送のコストと時間を下げることができれば、中小企業(SME)が海外市場に参入しやすくなる。
現在、タイからベトナムへの荷物はDHLやFedExなどの国際宅配便に依存しており、コストが高い。郵便網とローカル物流の組み合わせにより、低コスト輸送の選択肢を提供することが目標だ。
タイ経済への意味
タイ政府はASEAN連結性強化を経済政策の柱の一つとしており、インドシナ半島を横断する物流ルートへの投資を進めている。日系企業を含む製造業がタイ・ベトナムの両国に工場を持つ場合、部品・製品の行き来が容易になる恩恵がある。
タイの輸出総額に占めるベトナム向けの割合は約4%で、ASEAN諸国のなかで重要なパートナーだ。物流インフラの整備が進めば貿易拡大が期待される。