タイ商務省商業局と首都圏犯罪捜査局(ปคบ.)が合同でおとり捜査を実施し、アユタヤ県バンバル郡の農業資材店で尿素肥料(N-P-K 46-0-0)が1袋(50キロ)あたり1,190バーツという異常な高値で販売されているのを摘発した。農家からの苦情をもとに当局が動いた。
通常、尿素肥料46-0-0の適正価格は700から800バーツ前後(卸売・小売によって異なる)とされており、1,190バーツは400バーツ以上の上乗せとなる。燃料危機による輸送コスト増を考慮しても実際のコスト上昇に見合わない値上げとして、商品・サービス価格法(2542年)第29条違反に問われる可能性がある。
当局はおとり購入で証拠を確保した上で、仕入れ伝票や販売記録を精査し、価格高騰の経路を上流まで遡って調査している。単純な小売店の便乗値上げなのか、流通業者や輸入段階から組織的な操作が行われているのかを確認する方針だ。
タイの農業生産は稲作、サトウキビ、ゴム、果物など多様だが、多くの作物で尿素肥料は欠かせない。農家の生産コストに占める肥料代は大きく、値上がりは作物の販売価格に転嫁できなければ農家の収入を直撃する。燃料危機のさなかに肥料の便乗値上げが加われば、特に小規模農家への打撃は深刻だ。
タイの肥料は主に輸入品で、原料となる尿素の大部分が中東・ロシア・中国などから調達されている。国際的な天然ガス価格(尿素の原料)の高騰が国内の肥料価格を押し上げる構造があり、便乗値上げが起きやすい環境にある。政府は適正価格の監視と消費者向けの相談窓口(1569番)の周知を継続している。