PTTグループは3月26日午前5時から、プレミアムグレードのディーゼル(Diesel B20プレミアム相当)とガソホール95の価格を1リットルあたり8バーツ引き上げると前夜に発表した。すでに同じ日に一般グレードで6バーツ値上げが決まっており、プレミアム燃料にはさらに2バーツが追加される形となった。
値上げ発表から数時間、全国のガソリンスタンドに駆け込み給油の行列ができた。バンコク都内では1キロメートルを超える車列が複数のスタンドで報告され、警察が交通整理に出動した。SNSには夜明け前から並ぶ市民の写真が大量に投稿された。「眠れない夜」を過ごした人も多く、スタンドの従業員も深夜から早朝にかけて大忙しだった。
PTTは国営エネルギー企業で、タイのガソリンスタンド市場を牛耳っている。燃料価格は原油の国際相場と石油基金による補助を組み合わせて設定され、急激な値上げを緩和する仕組みがある。しかし中東紛争によるホルムズ海峡の緊張とその後のエスカレーションで原油価格が急騰し、石油基金の補助にも限界が来ていた。8バーツという一度の値上げ幅は直近でも最大級の部類に入る。
ガソホール95はバンコク市民の標準的な燃料選択だ。通常のガソリン車の大半はこのグレードを使っており、今回の値上げは多くの家庭に直接影響した。プレミアムディーゼルは商用トラック・バス・農機に使われており、物流・農業コストへの波及も必至だ。
タイの2026年の平均ガソリン価格はホルムズ危機前より30〜40%高い水準で推移しており、家計への圧迫は累積的に大きくなっている。