プラチャーチョン党(国民党)が、燃料備蓄の「横流し(ไอ้โม่ง)」に関する具体的な証拠データを翌日の国会で公開すると発表した。備蓄があるのになぜガソリンスタンドに燃料が届かないのかという問題に、データで迫るとしている。
「ไอ้โม่ง(アイモーン)」はタイ語で「素性不明の悪者」を意味する俗語で、燃料危機のさなかに石油備蓄を意図的に市場に出さないで利益を図っているとされる勢力を指す。国民党はこの勢力が誰なのかを「データで暴く」と主張し、国会本会議での公開討論に臨む準備をしていた。
「備蓄は十分ある、でもスタンドに届かない」というギャップは、3月の燃料危機が最も深刻だった時期に広く指摘された問題だ。政府は「製油所には在庫がある。問題は流通にある」と認めながらも、誰が流通を意図的に滞らせているのかについては明確な説明を避けてきた。国民党の元財務大臣カーン・タナトーン氏らも同様の追及を続けており、今回の国会公開はその延長線上にある。
タイの石油流通は大手石油会社を通じた系列スタンドへの供給と、独立系スタンドへの卸売りという二層構造になっている。備蓄を一定以上持つことが義務づけられているが、価格上昇を見込んで出荷を遅らせる「戦略的備蓄」が実際に行われているかどうかの確認は外部から難しい。
国会での証拠公開が政府の政策変更や関係者への法的措置につながるかどうかは不透明だが、市場の透明性を高める議論が進むきっかけとなることが期待された。
