タイ北部メーホンソン県で2026年3月24日、山火事のホットスポットが96か所に急増した。スオミNPP衛星データで確認されたもので、主にパイ郡周辺で観測された。乾季末の熱波と強風が火勢を拡大させており、PM2.5の深刻な悪化が懸念される。
山火事の現状
メーホンソン州の山林火災・霞防止センターの発表によれば、3月24日朝の時点で96か所のホットスポットが観測された。前週から急増しており、消火活動を続ける関係機関も対処に追われている。
山火事の主な原因は農地の野焼きと自然発火の二つだ。タイ北部では毎年乾季(11月〜4月)に野焼きが行われ、農地の残渣を燃やして次作に備える慣行が続いている。山岳少数民族(カレン族、ミエン族など)の伝統的な農法と結びついており、禁止令があっても取り締まりは難しい。
PM2.5への影響
ホットスポットが100か所近くになると、周辺地域のPM2.5が急上昇する。メーホンソンに隣接するチェンマイでは3月末に860μg/m³という今季最悪の数値が記録され、WHOの基準値(15μg/m³)の57倍超に達した。
パイ郡はメーホンソン県の観光の中心地で、日本人を含む外国人旅行者にも人気の高い小さな山岳都市だ。山火事の煙が谷間を埋めると視界が著しく悪化し、山岳道路の運転も危険になる。
消火活動の課題
2026年は燃料危機の影響で消火活動の燃料確保にも制約が生じており、通常時より消防・防災活動の機動力が落ちているとみられる。メーホンソンは山岳地帯であり、ヘリコプターによる空中消火が有効だが、機体の稼働にも燃料が必要だ。
農業省・自然資源・環境省が連携して取り締まり強化を進めているが、広大な山林全域をカバーするには人手と資機材が慢性的に不足している。
旅行者への注意
PM2.5が高い水準で続く3〜4月のメーホンソン・チェンマイ・チェンライへの旅行は、大気汚染に対して特別な注意が必要だ。AQI(大気質指数)が150を超える場合はN95相当のマスク着用が推奨される。IQAirやAirVisualのアプリでリアルタイムの数値を確認し、予報を見て旅行日程を調整することが重要だ。