タイ全土で麻薬取締当局が大規模な合同作戦を実施し、覚醒剤(ヤーバー)2,100万錠と結晶メタンフェタミン(アイス)320キログラムを押収した。複数の県にまたがる広域摘発の成果で、当局は「タイへの麻薬密輸ルートの遮断に確実な効果が出ている」とコメントした。
押収された覚醒剤2,100万錠は製品換算で約2.1億バーツ(約8億4,000万円)相当、アイス320kgは卸値で約6億バーツ(約24億円)相当になる。合計10億円超規模の麻薬を一度に押収した大型作戦だ。
タイへの麻薬の主要供給源は「黄金の三角地帯」と呼ばれるタイ北部・ミャンマー・ラオスの国境地帯だ。特にミャンマーのワ州自治区周辺では、内戦中のミャンマー政府の統制が届かないエリアで大規模な製造が行われている。完成した麻薬はバイクや小型ボート、農産物の荷に紛れる形でタイ国内に持ち込まれる。
タイ政府は2024〜2026年を「麻薬撲滅3か年計画」の重点期間と位置づけており、国境検問所の強化と情報収集の拡充を進めている。しかしミャンマーの内戦で国境管理が不安定になっている側面もあり、麻薬の流入を完全に止めることは難しい。
覚醒剤はタイ社会全体に広く流通しており、農村部の農業労働者から都市部の若者まで多様な層に被害が出ている。タイ麻薬対策庁(ONCB)の統計では、麻薬事犯の逮捕者数は年間30〜40万人規模で推移している。
