エネルギー省はディーゼルおよびガソリンの小売価格を現行水準で維持すると発表した。「タイは燃料不足にならない」とも明言し、国民の不安払拭を図った。
タイのディーゼル価格は政府の石油基金からの補填で1リットル30バーツ台に抑えられている。原油が急騰すれば基金の負担が膨らむが、エネルギー省は「価格維持は可能」としている。
しかし地方からは「エネルギー省の発言と現場が違う」との声が上がっている。ブリーラム県エネルギー局は「無制限給油は誤報。スタンドは依然として制限中」と否定。元財務大臣カーン氏も「なぜ備蓄があるのにスタンドに届かないのか」と追及している。
日本ではガソリン補助金(元売り補助)で1リットル175円前後に維持されているが、補助額は1リットル30円以上に膨らんでいる。タイの石油基金も同様の構造で、原油高が続けば財源枯渇のリスクがある。
エネルギー省の「燃料不足にならない」という発言は、NIDA世論調査で国民の44%が備蓄を信じていない中で出されたものだ。政府の発言と国民の体感にギャップがあることが、不安を助長する悪循環を生んでいる。