バンコク・ラットクラバン区(ลาดกระบัง)のワット・サンガラチャー学校裏の踏切で2026年5月24日午前0時40分、21歳の女性ブスコーン・ブンスリー氏(บุษกร บุญศรี)が運転していたホンダWave 110iバイク(ナンバー1 ขษ 5253 バンコク)が、バンスー駅方面に進行中の貨物列車4403便と衝突し、その場で死亡した。バイクは大破して道路脇の草むらに横転、被害者の遺体も同じく草むらで発見された。チラケーノーイ警察署(สน.จระเข้น้อย)が現場対応にあたり、タイ国鉄(SRT)職員と防犯カメラの解析で正確な事故原因を捜査している。5月16日のマッカサン列車衝突事故(死者8人)を契機にタイ全国で踏切安全議論が続く中、首都圏で深夜の踏切死亡事故が再び発生した形となった。
事故現場の状況
事故はバンコク・ラットクラバン区の住宅街にある踏切で起きた。
詳細な発生情報を整理すると、日時は2026年5月24日午前0時40分頃、場所はワット・サンガラチャー学校裏のソイ・ラットクラバン3 第4分岐、踏切交差点、被害者の遺体は道路脇の草むらで発見、被害者バイクのホンダ Wave 110iも草むらで大破して横転状態、衝突した列車は貨物列車4403便、バンスー駅方面進行中、警察+救急隊+ルアムカタンユー財団救助団が現場対応、というもの。
衝突の瞬間は深夜0時40分という時間帯で目撃者が少なかったが、近隣住民+周辺施設の防犯カメラ映像で経緯が確認される予定。
被害者と運転車両
被害者の身元と車両情報は次のとおり。
被害者は21歳の女性ブスコーン・ブンスリー氏(Mrs.Boosakorn Boonsri)。運転していたバイクは、タイで最も普及している小型バイク「ホンダ Wave 110i」(ナンバー1 ขษ 5253、バンコク登録)。Wave 110iはホンダ・タイが製造する4ストローク110ccのコミューターバイクで、タイ国内で年間40-50万台販売される国民的バイク。
21歳という若年の女性が深夜0時40分に踏切を1人で横断していた状況については、警察が「通学・通勤・買い物・友人宅からの帰宅」のいずれの可能性も視野に入れて捜査中。バイクの状態+被害者の所持品から目的地・経路を逆算する作業が進められている。
貨物列車4403便の運行情報
衝突した列車はタイ国鉄(SRT)の貨物列車4403便。
主な情報として、運行種別は貨物列車(รถบรรทุกตู้สินค้า、コンテナ貨物列車)、進行方向はバンコクのバンスー駅(Krung Thep Aphiwat、首都圏中央駅)、運行時刻は深夜帯、コンテナ輸送が中心(食品・産業材料・港湾貨物等の流通)、というもの。
タイの貨物列車は、東部・南部・北部・東北部の主要港・工業団地+バンコク中央駅を結ぶ輸送網として24時間運行を行う。本件4403便も深夜の定期運行中で、踏切での自動横断者を予期しない速度で進行していたとみられる。
ラットクラバン地区の鉄道事情
ラットクラバン区(เขตลาดกระบัง)は、バンコク東部のスワンナプーム国際空港の近接地区。
地理的特徴を整理すると、スワンナプーム空港から北約8km、バンコク市内中心部から東約25km、東部経済回廊(EEC)への玄関口、住宅地+工業地区+物流ハブが混在、エアポートレールリンク・国鉄バンスー線・幹線道路が交差する複雑な交通網、踏切が30カ所以上存在する高密度の鉄道インフラ、というもの。
本件のソイ・ラットクラバン3 第4分岐の踏切は、住宅街内の地域生活道路。学校(ワット・サンガラチャー学校)が近接し、住民の日常通行が多い場所。深夜帯の人通りは少ないが、近隣住民が短距離移動で利用する場合がある。
警察捜査の進捗
チラケーノーイ警察署(สน.จระเข้น้อย)が現場検証を実施し、原因究明と関係者特定を進めている。
捜査の焦点となる項目は、被害者バイクの踏切横断時の状況(警報無視・遮断機越え・直前進入のいずれか)、踏切設備の作動状態(警報音・遮断機・赤色灯)、SRT列車運転士の証言+運転記録、近隣の防犯カメラ映像、被害者の生活ルート・直前の行動、踏切番(あれば)の対応状況、などがある。
被害者本人が亡くなっているため、踏切横断の意思決定の経緯を直接確認することはできない。SRTが提供するブラックボックス記録(列車速度・ブレーキ操作)+防犯カメラ映像+目撃者証言の総合的判断で結論が出される見込み。
マッカサン事故からの一連の踏切問題シリーズ
本件は、マッカサン列車衝突事故(2026年5月16日、死者8人)を契機としたタイ全国の踏切安全議論の中で発生した最新の死亡事案。
5月の踏切問題シリーズの主な動きとして、5月16日マッカサン事故(死者8人)、5月17日マッカサン事故翌日にアーソクで別バスが線路上停車、5月17日マッカサン列車運転士覚醒剤陽性判明、5月18日マッカサン機関助手「バスを広告看板と誤認」と証言、5月18日タイ全国踏切2,639カ所・2025年事故2,124件統計判明、5月18日交通相「BKK中心部への列車運行廃止」検討指示、5月21日マッカサン事故8人目死者(男性)、5月21日ロッブリーのスクールバンが踏切バー突破試行→列車急ブレーキ、5月21日警察庁長官キッタラットが5月26日に全国会議招集発表、5月23日BTSパヤータイ駅下で警報音なし+遮断機作動せずヒヤリ、5月23日ロッブリーのスクールバン運転手55歳が自首「初日でルート不慣れ」、5月24日本件ラットクラバンで21歳女性死亡、と矢継ぎ早に発生している。
タイ全国の踏切で1週間に複数の死亡・ヒヤリ事案が連続する状況は、警察庁+運輸省+SRTの対策が追いついていない実態を示している。
続報
被害者ブスコーン氏の家族・経緯・直前の行動、SRT列車運転士の証言、防犯カメラ映像の解析結果、踏切設備の作動確認、刑事責任の判定、家族への補償交渉などは今後の続報で明らかになる見通し。






