タイ・サケオ県で、警察官5人と民間人1人が中国人を不法拘束し、1人あたり30万バーツ(約138万円)の身代金を要求しようとした疑いで逮捕された。逮捕は5月16日(土)、ワンソムブーン警察署の警察官が県入国管理局から情報を得て踏み込んだもの。事件に関与したとされる警察官のうち1人は依然として逃走中だ。
サケオ県はカンボジアと国境を接していて、アランヤプラテートの国境ゲートを抜けると目の前にポイペトのカジノ街が広がる地域だ。中国人観光客やビジネス目的の越境者が日常的に往来する場所で、被害者の中国人がなぜそこにいたのか、どんな経緯で警察官に拘束されたのかは、ソースの報道時点では明らかになっていない。
引っかかったのは「警察官5人+民間1人」というチーム編成と、1人30万バーツという金額設定だ。観光地での軽犯罪をネタに数千〜数万バーツ取る、よくある「示談ビジネス」とは桁が違う。被害者を1ヵ所に集めて拘束したうえで一律の金額を提示する、ほぼ営利誘拐に近い手口で、しかも執行側にいるのが警察官というのが救えない。
タイ警察の外国人狙い恐喝は昔から指摘されてきた問題だが、ここまで明確な組織犯罪に近い構図で立件される例は、最近の感覚では珍しい。サケオ県入管が情報を上げ、合同で踏み込んだという流れ自体は、警察組織内部の自浄機能が一応働いた事例にも見える。逃走中の1人がどう動くか、起訴段階で全員が容疑を認めるのか、ここからの展開のほうがむしろ気になる。


