タイ政府は5月14日、2026年1月から4月までの4か月間(120日間)に発生したオンライン犯罪の取締実績として、121,921件・被害総額74.8億バーツ(約364億円)と発表した。プロイタレー・ラックサミーサーンチャン副政府報道官が明らかにしたもので、政府は違法SNSページ・URLの遮断などを徹底し、詐欺犯罪は減少傾向にあると説明している。在タイ日本人にとっても、SNS・LINE・電話越しの詐欺被害から自分を守るための基礎情報だ。
4か月で12万1,921件、被害は74.8億バーツ規模
タイ政府の「オンライン詐欺対策センター(ACSC)」が分析した2026年1月1日〜4月30日の120日間のデータでは、オンライン犯罪の通報件数が121,921件に達し、被害総額は74.8億バーツ(1日あたり平均約1,016件・約6,200万バーツ)に及んだ。タイ全人口比で考えると、4か月で約500人に1人がオンライン犯罪を通報した計算になり、社会的な規模感は無視できない。
詐欺手口の最多は「商品・サービス詐欺」85,215件
ACSCが分類した3大手口のうち、最多は「商品・サービス詐欺」で85,215件。SNSでの偽商品販売・偽通販サイト・偽サービスを通じた被害が大量に発生していることを示すデータだ。続く類型としては、投資詐欺やロマンス詐欺・偽銀行詐欺などが並ぶが、件数規模としては商品系が圧倒的に多い構図がはっきりしている。
政府がSNS・URLの遮断を継続強化
副政府報道官のプロイタレー氏は、政府が「不法な社会保障・社会安全」分野の政策に沿って継続的にオンライン犯罪を取り締まっていると説明。とりわけ、違法なSNSページ、Facebookページ、Webサイトの不正URLを次々に遮断することで、犯罪者集団の活動経路を物理的に断つアプローチを取っている。その結果、特定手口の通報件数は減少傾向に転じているという。
過去サイクルとの比較:詐欺は減少傾向
政府発表では、詐欺事件は前期比で減少傾向にあるとされる。タイ警察と数字を共有しているACSCが、件数推移を継続的に追跡しており、政府の取締強化が一定の効果を上げている可能性が示されている。一方で、被害規模74.8億バーツという数字自体は依然として大きく、社会全体としての被害金額は引き続き深刻だ。
在タイ日本人の自衛のための基本
タイ在住の日本人駐在員や旅行者にも、SNS・LINE・電話越しの詐欺が日々送られてくる現実は変わらない。実際の被害類型として商品・サービス詐欺がトップというデータは、「タイのオンラインショップで安すぎる商品を見つけたら警戒する」「決済前に売り手のレビューと取引履歴を確認する」「PromptPayでの送金は相手を確認してから行う」といった基本動作が、最も効果のある自衛策であることを示している。怪しいリンクは踏まない、知らない番号からの電話は出ない、不安なら家族・職場・大使館領事部に必ず相談する姿勢を維持したい。