タイ・ノンタブリー県バンブアトン警察署前で5月14日午前に起きた愛人殺害事件について、khaosodが続報を伝えた。犯行の引き金は「愛人が他の男性とこっそり連絡を取っていた」ことを犯人の男が発見したこと。男は愛人を「踏みつけ・蹴り」(タイ語:กระทืบและเตะ)の暴行で殺害した後、どうしていいか分からず正妻に電話で相談、妻から「警察に自首せよ」と助言を受けた結果、遺体を車に乗せて警察前まで運んで自首したというのが事件の全容だ。タイの「ギック」(密通)文化と、家族的調整での自首選択が交差した珍しいパターンとして注目を集めている。
引き金は「ギックの浮気疑い」、踏みつけ・蹴りで殺害
ノンタブリー県バンブアトン警察署の初動聴取によれば、犯人の男は密通関係にあった「ギック・サオ」(愛人)の女性が別の男と密かに連絡を取っているのを発見、これを引き金に女性を踏みつけ・蹴る形の暴行を加えた。遺体の検視では、目の周りに青あざ、複数の打撲傷が確認されており、激しい暴行であったことが示唆されている。
妻に電話相談「自首するように」と助言
殺害後、どう対処すべきか判断できなくなった男は、自宅の妻に電話を入れて相談した。妻からの助言は「警察に自首しなさい」というもので、男はそのアドバイスに従い、遺体を車に乗せて警察署まで運転して自首した。タイの家族関係における強い結びつきと、犯人が自暴自棄にならず妻に頼った構図は、犯罪の悲惨さの中にも家族の役割を浮き彫りにしている。
車内には「白い布をかぶせた遺体」と「白シャツの男」
警察が現場で確認したのは、ボーンカラーの乗用車の前部助手席に置かれた女性の遺体(白い布で覆われていた)と、車のそばで白シャツを着て待機する男だった。男は警察に対して即座に自首の意思を表明し、自分が暴行で女性を殺害したことを認めた。動機の核心も自ら警察に語ったとされる。
動機・量刑・タイの「ギック」文化
タイ語の「ギック」は配偶者・恋人とは別に作る「密通相手」を指す俗語で、社会的にはグレーゾーンながら認知された存在だ。一方で、ギック関係が三角関係・四角関係に発展して殺人事件まで至る事例は毎年のように報じられる。今回のケースは、犯人自身が浮気を浮気で裁き、最終的に妻のアドバイスで自首するという、複雑な家族関係を映し出した珍しいパターンだ。
在タイ日本人にとっての見え方
タイで日系企業の駐在員家庭が直接巻き込まれるリスクは低いものの、家政婦・運転手・現地スタッフを取り巻くプライベートのトラブルが業務にも波及する場面はある。タイの家族関係は外から見るより複雑で、配偶者・パートナーの「もう一方の関係」が表に出る場面が日常的にある。雇用関係でも、相手の事情に深く立ち入りすぎず、相互尊重で距離感を保つことが安定した関係につながる。