タイ・メーホーンソーン県メーサーリエン郡の県道1194号線「キウロム展望台」付近で5月11日午前、男性が乗ったバイクが急カーブを曲がりきれずに脱輪し、道路から約50m離れた高さ約2mの木に車両ごと宙吊りで突き刺さった。運転者の中年男性は即死状態で発見され、エンジンは依然として作動し、右ウインカーが点滅し続ける異様な現場となった。
車両はホンダドリーム(赤色)でナンバープレートなし。被害者は紺色襟付きシャツ・グレー長ズボン・肩掛けバッグ姿で、バーン・メーラオーン戦闘避難民キャンプの居住者と判明した。ターターファン警察署のウォラウィット警部補が捜査を主導している。
事故現場はバーン・フアイポー、ターメーユアム区、メーサーリエン郡に位置する。バイクが急カーブを曲がりきれず展望台側へ50m飛んで木に突き刺さったと見られ、エンジンが作動し続けウインカーが点滅していたことから、運転者が衝突直前に右折を試みた可能性が示唆される。
危険な山岳道路「キウロム」
県道1194号線(メーサーリエン〜メーサームレープ)はタイ最北部の山岳地帯を通る道路として知られ、「キウロム」(風が抜ける峠)は連続急カーブ・崖沿い・ガードレール不備・夜間照明なしといったリスクが重なる難所だ。地形的に風が強くバイクの操縦難易度が高く、観光客・地元住民の双方で死亡事故が頻発している。
難民の交通事故が抱える構造的問題
被害者がバーン・メーラオーン戦闘避難民キャンプ居住者だったことも今回の事件の特徴だ。タイ・ミャンマー国境近くに暮らすカレン民族系の避難民は、正規の運転免許・車両登録・保険加入が困難な状況に置かれている。ナンバープレート未登録のバイクで生活道路を移動していた状況は、こうした構造と整合する。事故後の遺体引き取りや家族への連絡も複雑な手続きを要するため、警察は身元確認に時間を要する見込みだ。