ノンカイ県の有名寺院の住職(当時)が2026年5月12日、13歳の女児に対するわいせつ行為の疑いで逮捕・強制還俗処分を受けた。5月11日に隠し撮りとみられる動画がSNSに流出し、住職は即日寺院から逃走。翌12日に警察が身柄を確保した。
被疑者は逮捕後の取り調べで「わいせつな行為ではなく、ただ可愛がっただけ(โอ๋)」と供述した。「戒律に違反していることはわかっている」とも述べ、完全な否認はしなかった。
逮捕に先立ち、寺院当局と警察は協力して被疑者の位置を特定した。強制還俗は逮捕前後に行われ、在家への戻りは本人が拒否できないタイ仏教上の規定に基づく。被疑者は現在、児童保護法および刑法の性的犯罪条項に基づき起訴の手続きが進んでいる。被害者の13歳少女と家族には、タイ社会開発・人間安全保障省の心理支援チームが介入した。
タイの仏教界では近年、僧侶・住職による性的犯罪や金銭横領事件が相次いでいる。2024〜2026年だけでも、ノンカイ・チェンマイ・パトゥムタニーなど複数の県で著名な住職が逮捕・還俗となった。SNSの普及によって被害者や目撃者が動画・証言を直接発信できるようになり、「隠蔽」が難しくなったことが摘発増加の一因だ。
タイ仏教界を管轄するタイ仏教省(สนง.พระพุทธศาสนา)は、住職の任命・解任・犯罪時の対処手順を定めたガイドラインを更新しており、身元調査の強化と通報体制の整備を進めている。しかし全国4万以上の寺院を抱える中での実効的な監視は難しく、「地域での信頼だけに頼らない制度的な保護」の整備が課題として残っている。