タイ・ランパン県プラバート区ワナーライ公園で5月11日23時30分、巡回中の警察官がエンジンをかけたまま駐車中の日産製ピックアップトラックを発見した。運転席を確認したところ、59歳男性「エー氏」(仮名)が死亡していた。車内には炭の缶が置かれており、一酸化炭素中毒による死亡と推測される。外傷や争った痕跡はなく、家族も死因に異議を唱えていない。
「車内に炭の缶」「エンジン作動継続」「運転席で死亡」という組み合わせは、タイ・東アジアで広く見られる練炭自殺のパターンだ。車内で炭を燃やして一酸化炭素を発生させ、窓を閉めた密閉空間で意識を失う仕組みで、日本でも同様の事案が報告されている。ランパン警察署のパッワン警部補が捜査を指揮し、ランパン救助協会と検死医チームが現場処理を実施した。
タイ公衆衛生省の統計では、年間自殺者数は約4,500人で人口10万人あたり約6.4人にのぼる。男性が約75%を占め、特に40〜60代の中年男性が高リスク層とされる。経済的困窮・家族関係の崩壊・アルコール依存・うつ病・健康問題などが重なるケースが多い。ランパン県は農業(サトウキビ・タバコ・パイナップル)と観光業が中心の地方都市で、中高年男性の経済的プレッシャーは依然として大きい。
ワナーライ公園は夜間の人通りが極端に少なくなる市内の緑地だ。深夜23時30分に巡回警察が偶然発見したことで迅速な対応が可能となった。タイ公衆衛生省は自殺予防ホットライン(1323)を運営しているが、農村・地方部での認知度は依然として低く、完全な予防は困難な現実がある。
タイ駐在の日本人にとっても、駐在ストレスや孤独感は無縁ではない。家族や同僚の異変サインに早めに気づくことが重要で、バンコクにはバムルンラード病院・サミティベート病院など日本語対応の精神科もある。




