タイ陸軍パームアン部隊(Pa Mueang Force)の国境警備隊が5月9日早朝、チェンマイ県メーアイ郡の自然国境地帯で多国籍麻薬密輸団と銃撃戦を展開した。密輸団5-10人は5分以上にわたり警備隊に発砲した後、密林の地形を生かして逃走。現場には捨てられたバックパックから生アヘン約60kg(約200万バーツ/約980万円相当)が押収された。
事件は5月9日午前6時頃、メーアイ郡メーアイ区のバン・コークウア(ナマウン)地区の自然国境路で発生。情報筋から「隣国(ミャンマー側)から大量の麻薬が国境を越えて持ち込まれる」との通報を受けて警備にあたっていた、第3軍管区作戦センター傘下の第3207中隊・機動展開部隊・長距離哨戒隊の合同チームが、5-10人規模の集団が荷物を背負って山地を抜けるのを発見した。
警備隊が呼びかけて検問しようとした瞬間、密輸団は応戦のため発砲を開始。5分以上にわたる銃撃戦となったが、警備隊側に負傷者は出なかった。密輸団は地形に精通しており、密林を抜けて逃走。現場に残されたカスタマイズされたバックパックから、生アヘン60kg近くが回収された。
総指揮はサティット・ワイヨンノン少将(パームアン部隊司令官)と、キティ・ナージャイ大佐(国境警備指揮官)。事件はミャンマー国境からの麻薬流入の典型的なパターンで、密輸団が国境地帯の地形と密林を利用して定期的に往来していることを改めて示した。
タイ・ミャンマー国境のチェンマイ県側、特にメーアイ・ファン・ウィヤンヘンといった国境郡は、ヤーバー(メタンフェタミン)・氷状メス・生アヘンの主要密輸ルートで、月に複数回の摘発が報告される。今回の生アヘン押収は規模としては中規模だが、武装した密輸団との銃撃戦という事態の深刻さは、国境警備の緊張を象徴している。
タイ警察と国境警備隊は5月に入って大規模な麻薬摘発を連発している。氷状メス238kgメコン国境押収(5/8)、ピンクタクシー輸送のメス220万錠(5/9チェンライ)など、流入量の規模拡大が続く。需要側=末端常習者の増加が背景にあり、本日もウボンで41歳薬物息子が73歳母を刃物で殺害する家庭内薬物起因殺人が発生したばかり。
在タイ日本人の生活への直接影響は限定的だが、北部チェンマイ・チェンライへ旅行する場合の国境地帯(ターゲットエリア)への安易な立ち入りは避けるべき。とくに自然国境路や自家用車での山岳地帯走行は、密輸団との偶発的な遭遇リスクがゼロではない。観光地として整備された場所以外への立ち入りは、地元ガイドの案内なしに行わないことが鉄則となる。