ソンクラー県ムアン郡コテーオ区バーンボーイット第8集落の大型ゴミ処分場で、4月23日未明2時から大規模な火災が発生した。災害防止軽減省(DDPM)ソンクラー事務所によると、出火原因は、処分場に入り込んだくず拾い業者が古物を選別する際にゴミを焼却した行為にあるとみられる。同日午後4時の時点で、処分場全体200ライのうち約100ライ、面積にして16ヘクタールまで燃え広がり、部分的な鎮火は達成したものの、延焼防止の作業は依然続いている。
地元自治体とDDPMソンクラー事務所は出火直後から消防車と救援隊を送り込んだ。しかし堆積したゴミそのものが可燃物となって炎を保ち続けるため、表面放水だけでは鎮火しきれなかった。現在は油圧ショベル(バックホー)で燃えているゴミを掘り起こし、地中の火種に直接放水する作戦に切り替えている。DDPM第12区(ソンクラー拠点)の水槽車が続々投入され、長距離送水ポンプの応援要請も進められているという。
処分場火災で懸念されるのは大気汚染である。プラスチックや有害廃棄物の不完全燃焼によって黒煙が立ち上り、ダイオキシンやPM2.5など健康被害につながる微粒子が飛散する恐れがある。汚染管理を担当する環境当局はすでに現地に入り、周辺地域の大気質をモニタリング中だ。風向きによってはコテーオ地区を越えてハジャイ方面の住宅地や幹線道路まで煙害が及ぶ可能性があり、県はマスク着用と不要不急の外出抑制を呼びかけている。
タイの地方ゴミ処分場では、くず拾い業者や一部住民が金属やプラスチックを回収するためにゴミを部分的に焼却する行為が慣行として残ってきた。乾季には不法焼却由来の火災が毎年繰り返され、取り締まりが緩い自治体ほど被害が拡大しやすい。ソンクラーは雨量の少ない4月が火災リスクの高い時期で、コテーオの処分場は500トン/日の廃棄物発電施設(waste-to-energy)も抱えており、もともと可燃物の密集度が高い立地だった。
直近では2026年3月末にチェンマイが世界ワースト1位のPM2.5濃度を記録したのが記憶に新しい。タイ政府は2026年度予算でゴミ処分場の衛生埋立化(sanitary landfill)推進に資金を計上しているが、地方レベルの法令順守はなお課題として残っている。南部最大の都市ハジャイはもともと昨年の大洪水で発生した廃棄物の処理が追いつかず、コテーオの処分場には通常以上の量が集積していた背景もあり、火災リスクが高まっていた可能性がある。
南部在住の日本人にとって、ハジャイ市街は生活圏のど真ん中だ。PM2.5値が急上昇する恐れがあるため、ハジャイ・ソンクラー市内の住人は空気清浄機の稼働と屋内滞在を優先するのが賢明である。ゴミ処分場火災の完全鎮火には通常数日から1週間を要する例が多く、今週末の屋外予定は控えめにしておいた方がよい。県内の幼児や高齢者、喘息・心疾患のある住民は特に警戒したい。