パタヤ市のポースメーセ・ンガーンピチェーッ市長と副市長マノッチ・ノンヤイ氏は4月20日、胸に吹矢(ダート)を撃ち込まれた野犬の救出を主導した。現場はスクムビット通りソイ93で、犬は胸の中央付近に深い傷を負っており、市長が直々に獣医と広報を伴って現場に駆けつけた。
救出は獣医官が鎮静剤を投与して犬を落ち着かせたあと、パタヤ市病院に搬送する形で進められた。容態が安定次第、パタヤ市の動物シェルターに移し、リハビリを経て新しい飼い主を探すと発表されている。救出の様子はパタヤ広報課のソムプラソン・ポーチャンパン氏が記録した。
犯人は特定されていない。誰が、いつ、なぜ野犬に吹矢を撃ったのかは現段階では不明で、市と警察が動物虐待の疑いで捜査を進めている。パタヤ市は住民に対し、動物虐待を目撃した場合は速やかに通報するよう改めて呼びかけた。
パタヤは観光都市であると同時に、野犬・野良猫の多い街でもある。市は以前から去勢・避妊手術と狂犬病ワクチンの集団接種プログラムを展開しており、今回の救出は「行政が野良動物の福祉に関わる」姿勢を示す具体例となった。市長自身が現場に出て指揮を執るのは、観光都市ならではの広報・シンボリックな意味合いも大きい。
タイでは2014年制定の動物虐待防止・動物福祉法(仏暦2557年)により、動物への虐待行為は最大2年の懲役または4万バーツ以下の罰金が科される。吹矢での攻撃は明確な虐待行為に該当し、SNSで画像が拡散すれば世論の後押しで犯人特定の圧力が一気に高まるケースが近年増えている。
在タイ日本人にとっても、パタヤ近郊で野良犬・猫への関与は珍しくない。餌付け・保護・シェルターへの引き渡しなどを行う際、法律の枠組みと市の窓口を知っておくと役に立つ。市長が動く規模の救出劇が報じられたこと自体が、市民の通報を促すメッセージとしての効果を持っている。