チャイナート県で4月21日、1日のうちに4ヶ所で森林に火が放たれた。知事プーミワット・ウドムサップ氏がPM2.5と森林火災の対策を「県の緊急課題」として格上げしたばかりの矢先で、知事通告を公然と嘲笑するような挑発行為と受け止められている。
最大規模の延焼は21日午後9時、バーン・グルアイ区サームバーンマイ交差点付近のユーカリ林で発生した。強風であおられた炎は2ライ超の面積を焼き、民家まで100メートルの地点まで迫った。チャイナート市消防隊・バーン・グルアイ区消防・救助財団ルアム・カタニュが連携して対応し、延焼拡大を辛うじて食い止めた。
他の3ヶ所でも同様の放火と見られる火災が同日中に発生しており、当局は4件とも人為的な放火と推定している。火元はいずれも道路沿いで、森林の縁に火を付ける典型的な手口が繰り返された。犯人の特定と法的処分を目指して警察の捜査が続いている。
知事プーミワット氏は前日までに緊急の文書を発出し、森林火災と粉塵対策を「県内最優先の緊急案件」として位置付けていた。今年のチャイナート県では衛星による熱点(Hotspot)の観測数が前年比で大幅に増えており、住民の呼吸器疾患・眼疾患の診察件数が増加傾向にある。公衆衛生と防災の両面で待ったなしの局面に入っていた。
タイの北部・中部では4月の乾期に「焼畑・刈草の燃焼・道路際の枯葉焼き」が慣習化しており、これがPM2.5の元凶の一つとなっている。罰則付きの禁止令を県単位で出しても、個別の放火行為が後を絶たないのは、広い農村部の監視が行き届かないためである。今回のように1日4件が同じ県で集中する事態は、組織的な反発か、警察の注意がそれた瞬間を突いた連続放火の可能性がある。
在タイ日本人の視点では、乾期の中部〜北部ドライブで道路沿いの黒煙と炎を目にする機会が増えている。PM2.5の数値が高い日は、チェンマイ・チャイナート方面のアウトドアは前もってキャンセル判断をするのが無難だ。先にエラワン国立公園が山火事・PM2.5で一時閉鎖されており、旅行計画は最新情報の確認が欠かせない。