チョンブリ県移民局とパタヤ観光警察は4月20日午後3時40分ごろ、パタヤのチャイヤプルック2通りムー12にある豪華ヴィラを一斉摘発し、インド人30人を拘束した。現場で働いていた20人に加え、敷地内で生活していた10人も確認された。拠点は典型的なプールヴィラで、郊外の閑静な別荘地を詐欺オペレーションの表舞台に使っていた。
指揮を執ったのはナパッポン・コーシット・スリヤマニー警視正(チョンブリ移民局監督官)とプラプダ・スクソーントン警視補。押収品はラップトップ18台と携帯電話30台以上、給与体系を記した社内ドキュメントで、マーケティング担当者の月給は約34,000バーツに設定されていた。給与の幅と職位構成が示されており、実態は企業のコールセンターに近い。
詐欺の手口はインド人コミュニティ向けの投資勧誘である。メッセージアプリを通じて同国人に連絡し、「有望な株式」「金」「ビットコインなど暗号通貨」への投資を持ちかけた。手口の核心は週次・月次で銘柄を人工的に吊り上げる「ポンプ」で、初期に配当を出したあと参加者を増やして最終的に資金を引き上げる構造と見られる。
現時点で判明した罪状は無許可労働と居住届違反である。入国・労働関連の比較的軽い罪状にとどまっており、詐欺本体への追及は今後の捜査次第となる。被害総額は現場で集計中で、流動資金の全容は明らかになっていない。30人という規模と豪邸というステージからは、数億〜数十億バーツ規模の資金が動いていた可能性が高い。
パタヤ近郊では同じ日に、バンコク・カンナヤオ区でSIMボックスを使った詐欺コール拠点もInterpolとの連携で摘発されている。タイを中継地点とする国際詐欺網の包囲が同時多発で進んでおり、チョンブリ県周辺の別荘は再び捜査当局のターゲットとなった形だ。
タイ当局にとって、パタヤは観光地でありながら外国籍の詐欺グループが「表で暮らしやすい」場所でもある。近郊のビーチリゾートを仮面に国際詐欺を運営する構図は、2024年以降の摘発で繰り返し暴かれてきた。豪邸・高級車・高給の給与体系を持つ組織ぐるみの詐欺が、タイの別荘地でいまも稼働していることを示す、典型的な1件と言える。