4月20日午後1時ごろ、チェンマイ県メーアン郡ノーンホーイ区の一戸建て賃貸住宅で、妊娠4ヶ月のヤーッルンさん(33歳)が全身打撲で死亡した。当初は同居する恋人カントーティー容疑者(35歳、通称ジップ)が「滑って転んだだけ」と主張していたが、捜査の過程で暴行を自白した。
通報を受けたのはメーピン警察署で、ヤーンポン・パッタナチャイ署長とカターウット・ホンヌン副署長の捜査チームが現場に急行した。捜査はレスキュー隊ルアムチャイ、チェンマイ・マハラート病院の当直医と連携して進められた。一戸建ての寝室の床にヤーッルンさんが倒れており、全身には激しい打撲の痕があった。
カントーティー容疑者は現場で警察官を待っており、最初は「彼女が自分で滑って転んだ」と説明した。しかし打撲痕の分布や強度は転倒事故で生じる典型的なパターンから外れており、追及を受けた容疑者は暴行を認めた。本人の供述によれば、「美しい恋人への嫉妬が抑えきれなかった」と述べ、被害者の家族に謝罪したいと口にしたという。
被害者は妊娠4ヶ月で、腹部への暴行があれば胎児にも致命的な影響を及ぼす状態だった。死因の詳細と胎児の状態については、チェンマイ・マハラート病院の法医学部門による検死で確認される。殺人罪に加えて、妊娠した女性への暴行を含めた訴因が今後の捜査で整理される見込みだ。
チェンマイ県内ではチェンマイ大工学部の准教授が交際女性を服を脱がせて暴行した事件も先に報じられている。短期間で複数のDVケースが同じ県で明るみに出ており、家庭内暴力の通報ルートと被害者の保護体制は改めて問われる局面にある。
タイでは家庭内暴力を理由とする殺人事案が毎年一定数発生しており、嫉妬や束縛を動機とする加害者は現場での矛盾した供述のあと自白に転じるケースが多い。今回もその典型的なパターンをなぞる形で、容疑者は暴行の事実を認めた。検死と精神鑑定の結果によって、殺意の認定と量刑の見通しが定まっていく。