ソンクラー県ハートヤイ市内のコンビニエンスストアでアルバイトをしていたカップル、サラウット(33歳男性)とポーンナパー(32歳女性)が、偽造振込スリップを使って飲食店での食い逃げやガソリンスタンドでの無賃給油を繰り返した末、2026年4月16日にハートヤイ警察によって逮捕された。2人は住所不定のトヨタ・ヤリス(グレー)で地域を転々としながら犯行を繰り返していた。
手口は単純だが効果的だった。スマートフォンのグラフィックアプリで本物そっくりの銀行振込スリップを作成し、商品やサービスを受けた後に「スリップで払います」と見せて、店員が確認している隙に立ち去る。被害はガソリン代(500〜1000バーツ規模)が複数件、飲食店では数百バーツの食事代が標的となった。最近では2026年4月6日に同手口でガソリンを給油した後逃走、さらにパッタルン県でも同様の犯行が確認された。
警察は捜索・尾行の末、ハートヤイ市内クロンヘ地区でターゲット車両を発見。車内のサラウットとポーンナパーは逃走を試みたが、クロンヘ・クータオ交差点付近で車を止められた。2人は最終的に容疑を認め、複数件の詐欺の前科があることも判明した。
この種の「偽スリップ詐欺」はタイ全国で急増している。タイ中央銀行はキャッシュレス決済の拡大に合わせ、QRコード・電子送金の不正使用リスクについて警告を続けている。店舗側には「スリップの画面だけ見て信じてはいけない。必ず自店の受信履歴またはリアルタイム確認サービスで照合せよ」と指導しているが、忙しい店員が個々に確認する負担は大きい。
タイ警察庁は2025年から「モバイル偽スリップ対策システム」の各種銀行APIとの連携強化を進めており、店舗端末での即時照合ができる仕組みの普及を目指している。


