ノンタブリー県ムアン郡のレウアディー61ソイ入口付近で2026年4月13日夜9時半頃、45歳のアモン氏がソンクラーン期間中の水かけ遊びをする子どもたちに接近して急バックをしたことをきっかけに口論となり、一方が殴りかかって乱闘になった。双方に負傷者が出て、両者はプラナンクラオ病院へ搬送された。
事態はそこで終わらなかった。翌日の4月16日午後5時30分、プラナンクラオ病院の救急室にアモン氏の治療のために両者が偶然同じタイミングで訪れ、救急室内で再び殴り合いが勃発した。病院の法務担当職員がCCTV映像を証拠として持参し、ラッタナーティベート警察署に被害届を提出した。
今回の事件が社会的関心を集めたのは、「道路」から「病院の救急室」というタイならではの展開ゆえだ。ソンクラーン期間中の暴力事件自体は毎年一定数発生するが、搬送先の病院内で暴力が再発するケースは医療現場の安全問題として改めて注目された。
タイ医療従事者協会(CCSA)の調査では、タイの救急病院での患者間・患者と職員の間のトラブルは年間数百件報告されており、その多くがアルコールや薬物の影響下にある人物が絡む。バンコク市内の大規模病院では保安要員を増員しているが、地方の中規模病院では警備体制が手薄な状況だ。
日本では病院内での暴行事件は「威力業務妨害」として重く扱われるが、タイでも「医療施設保護法」の強化を求める声が医師・看護師の団体から上がっている。ソンクラーン期間の救急外来はアルコール関連の搬送が急増するため、医療従事者が予防的な安全対策を求めているのは毎年共通の課題だ。