タイ警察が2026年4月16日、サムットプラカーンでの家宅捜索で中国人4人を含む詐欺グループを摘発した。グループは中国人女性(19歳)が「スキャマーに拉致・暴行された」と見せかけるやらせ動画を中国国内に流し、父親から身代金を騙し取る計画を実行していた。
事件のスキーム
容疑者グループはまず「Scam1992」と呼ばれる中国系の詐欺手口を組み合わせた計画を実行した。被害者の中国人女性の交際相手(中国人男性・29歳、主犯格)が中心となり、女性が「詐欺業者に拉致されて暴行されている」というやらせ映像を撮影。この映像を女性の父親に見せ、身代金として約50万バーツを騙し取った。
父親はこれを本物の人質事件として信じ、中国の警察に通報したことで「中国に広まった誘拐事件」として一時的に話題になった。
現場突入と逮捕
バンコク市警察本部(กก.ก.)のデービッド准将らが指示し、サムットプラカーン県バングプリ郡バンケーウ地区の借家を家宅捜索。中国人4人(主犯ヨウ・ロンシャン29歳、フー・ジーウェイら)を逮捕し、さらにタイ人1人の共犯者と、その場にいた女性本人の計6人を身柄確保した。
詐欺スキームの巧妙さ
「自作自演の人質」という手口は、中国系詐欺グループが中国人向けに展開する新手の手口として知られるようになっている。本人が共謀してやらせ映像を撮影するため、外部からの証拠が取りにくく、グループ内の裏切りが露見しなければ発覚しにくい。