2026年4月15日午前7時時点のタイ全国大気汚染センターの報告によると、PM2.5濃度が国内42県で安全基準値(1立方メートルあたり37.5マイクログラム)を超過した。北部では特に深刻で、チェンマイ・チェンライ・メーホンソンの3県が最高値圏に位置し、一部観測点では1立方メートルあたり211マイクログラムを記録した。この値は「危険」水準であり、屋外活動を行えば健康への深刻な影響が生じるレベルだ。
汚染は北部にとどまらず、グンテープ(バンコク)、ノンタブリー、中部・東北部の広範な地域にも及んでいる。南部は相対的に低いが、7日間の予測では全国的に悪化傾向が続くとされた。
北部の汚染源は主に農地での焼き畑と山火事だ。毎年乾季の2〜4月に集中し、ミャンマー・ラオスからの越境汚染と組み合わさって深刻化する。チェンマイでは2020年代に入ってからPM2.5の最高記録を更新し続けており、2024年には単一観測点で1立方メートルあたり250マイクログラムを超えた日もあった。
タイ政府は毎年この時期に「野焼き禁止令」を各県に発動するが、農家が代替手段を持たないことや取り締まりの不足から実効性が上がらない。チェンマイ県は2025年に特定農地での焼き畑に対する罰則強化と助成金制度の組み合わせを試験導入したが、効果検証はまだ途上だ。
PM2.5は粒径が2.5マイクロメートル以下の微粒子で、肺の奥深くまで侵入し、長期曝露で肺がん・心疾患・脳卒中のリスクを高める。世界保健機関(WHO)の新ガイドライン(2021年)では24時間平均で1立方メートルあたり15マイクログラム以下が目標とされており、タイの安全基準はWHO値より2.5倍緩い。
当局は42県の住民と屋外で作業する人々に対し、N95マスクの着用と不要不急の外出自粛を呼びかけた。特に心疾患や呼吸器疾患を持つ人、高齢者、乳幼児は屋外滞在を最小限にするよう強く求めた。